鋼種の相当材:規格をまたぐ代替の実務
DIN、AISI、JIS、GB の鋼種名は、「同じ」鋼でも完全に一致することはまれです。本ガイドでは、相当材とは何を意味するのか、どこに落とし穴があるのか、安全に代替するための方法を解説します。
相当材が存在する理由
ドイツで設計されたシャフトには 42CrMo4 が指定され、同じシャフトでも米国では 4140、日本では SCM440、中国では 42CrMo が指定されます。これらは相当材です。異なる国家規格が、化学成分が重なり合い、同じ用途を想定した鋼を記述しているのです。
相当材は同一ではない
組成範囲は重なり合いますが、正確に一致することはまれです。
- 1.2311 と P20:マンガン量が異なります(1.30–1.60% 対 0.60–1.00%)。
- 衝撃靭性、清浄度、納入状態は規格ごとに規定方法が異なります。
- ブランド鋼種(S136、NAK80、DC53)はメーカー独自の鋼種であり、「相当」という主張には特に注意が必要です。
安全な代替のためのチェックリスト
- 主要元素だけでなく、全化学成分を比較する。
- 同一の納入状態・同一の断面サイズでの機械的性質を比較する。
- 部品が靭性を重視する場合は、衝撃試験温度を確認する。
- 目標規格に対する実測値を示す 3.1 ミルシート(EN 10204)で確認する。
- 認証対象の設計(圧力機器、吊り具、自動車の PPAP)については、設計責任者の書面による承認を得る。
Steel.Wiki の表記ルール
本サイトでは、各鋼種ページに相当材とその準拠規格を掲載しています。近似的な一致の場合は、規格表に「close」または「near」と記載しています。これらは自動的な承認ではなく、上記チェックリストの出発点として扱ってください。
最終更新 2026-11-03. Part of the Steel.Wiki guides — see all guides.
